尾花正明

 
 
 地域社会の現状と展望

  昭和62年6月の第四次全国総合開発(四全総)は「多極分散型国土」の実現を掲げ、東京一極集中是正を目標としておりましたが、とどまるどころか一層の一極集中を露呈しております。IT社会と云われながらも技術・情報・サービス産業等の大都市集中は進行しており、所得格差拡大とともに地域間格差が拡がってきている状況にあります。
  地域経済を取り巻く環境は、国際分業・構造不況による企業城下町の崩壊により、製造部門の立地優位性が薄れ厳しさを増しております。
  当然の事ながら地域購買力の低下とともに郊外型店舗の出現により商業部門にも変化が顕われ、市街地商店街のシャッター通り化という現象が目に付く昨今であります。
  このように 低迷している地域の共通危機感に乏しく、地域の現状把握も的確でなく、地域の行政マン、地域経済を担う企業人の何かしようという意欲も低下しており、短絡的な企業誘致や土建型公共事業への投資をまちづくりのキーワードにしているという特徴があります。地場産業を取り巻く環境も変化しており、消費者ニーズの高級化・多様化が進む中、伝統的な技術の集積が後継者難により崩壊したり、大量規格品製造から脱し切れない地域は衰退が止まりません。
  一方、的確な現状把握に基づき強い危機感を持ち、企業育成型・地域一体型となったコミュニティーを介在させた産業政策は活発化しております。
 
 

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