尾花正明

 
 

は じ め に

 わが国は戦後の高度成長を経て、GNPは世界トップクラスになり、経済的には一応の成果を挙げてまいりました。その間、道路・下水道・学校・コミュニティーホールなどインフラや施設の面ではほぼ整ってきました。にもかかわらず、生活面では豊かさを実感できずにいるというのが実態です。東京一極集中が是正されない中、情報化社会では様々な情報が私たちの欲求を刺激し、より以上を求めるようになってはいないでしょうか。私たちは「もっと」の欲望からもう解放されるべきです。施設は相当に整備されてきましたが、今やどうやってそれら施設を活用していくのかなど、市民ニーズに合ったソフトも含めた政策を実施し、地域・個人の幸せを最大化することに力を注ぐ時期です。市民参加の下に知恵と活力を結集して、市民と自治体が協働して事業を実施していくべきです。地方自治を担う立場にある人間として、まちづくりのデザインを全面的に打ち出した議論を行うのは当然であります。しかし、ともすると出身団体・支援団体・特定業界業者への利益誘導、すなわち利権構造を温存するためだけに事業を行うという事態に陥りやすい現状が見受けられます。こういった体質を阻止する為には、1人ひとりの政治に対する権利と義務を再認識し合い、市民参加の政治を実現していかなければ、利益誘導の構造は改革される事はありません。他方無力感を強く持ってしまった市民層の政治離れが進んだ結果、投票率の低下を招いておりますが、その影にはほくそ笑む集団が存在することを私たちは知らなければなりません。ムダな公共投資等に群がる勢力阻止の処方箋として、私は25年前に地方自治への志を持ったときの原点『知らんぷりよりみんなの勇気!』 が大切であると考え、ました。これは、その後の活動から現在の地方自治に関する私なりの展望を描いたものです。市民の皆様に提示し、私の存念を披露する次第です。