尾花正明

 
 

 行政の役割と市民サービスの基本姿勢

  現在の日本の行政機構は国(中央)・県(中間自治体)・市町村(基礎的自治体)に分かれております。国は外交及び政策立案・国防・治安維持に尽くすべきであり、県は市町村を越えた地域開発行政・市町村間の調整事業を担い、そして市町村は住民に密着しながら行政サービスを展開することが理想的であります。しかしながら現状はそれに程遠く、国は世界の情勢から耳を塞ぎ、多くの権限を手放そうとはせず、県の監督を行っております。県は国の顔色を伺い、市町村は県の顔色を伺い住民は忘れ去られています。
  行政に携わる時、瞬時も忘れてはならない事が二つあると私は考えております。
  一つは我々の子孫から、もう一つはこの地球に生きる人類からこの大地を一時期負託を受け、借り受けているという事であります。そしてその時間を通し、
将来の子孫に誇りうる地域を創らなくてはならないのであります。では果たして、私たちの住んでいる上尾市ではどうでしょうか?
  明治初期の町村の数は約70,000 『昭和の大合併』で3,366 そして現在は平成18年4月で1,820となっております。このように官主導型の合併が推し進められてきましたが、市民生活様式が広域化され、その生活にあった範囲での地方自治体の大きさとなってきたのも事実であります。今後とも地方自治体の合併論議はことある毎に展開されていくと考えられます。私たちの地域でも近年、YOU And I 地域の合併・上尾桶川伊奈の合併が取沙汰されましたが、ことごとく実現をみておりますせん。その原因がどこにあったのかはさておき、今後とも基礎的自治体同士のコミュニケーションを深めながら、それぞれがたゆまぬ研鑽を重ねていくべきであると考えます。市民サービスの根拠となる租税民主主義の立場から、ある地域住民が負担する税と、その地域の住民の為に直接支出される金額(受益)はイコールであるべきです。しかし、実際には都市部では負担が大きく、周辺部では受益が大きく、市民サービス過多の状況になっております。そのために、行政が今、本当に市民の幸せな暮らしのために必要な施策・事業に取り組めないという問題を引き起こしております。スクラップ アンド ビルドの観点から、右肩上がりの終わった現状を十分に踏まえた市民サービスの提供を心掛けなければならない時代に突入していると思われてなりません。

 
 

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